夜の病院

私は看護師として働いています。夜勤のときは、病院は静かで暗いです。
私はいつも不気味な気分になりますが、仕事をするしかありません。
ある夜、私は病室の巡回をしていました。ほとんどの患者は眠っていましたが、
一人の女性が目を覚ましていました。
彼女は白血病で入院していて、髪の毛が抜けていました。
彼女は私に笑顔で話しかけてきました。

「こんにちは、看護師さん。今日はどうですか？」

「こんにちは、山田さん。元気そうで何よりです。私は今日も忙しいですよ」

「そうですか。看護師さんは大変ですね。私はここに来てからずっと寝てばかりです。でも、夢を見ることができます」

「夢ですか？どんな夢を見るんですか？」

「私は毎晩同じ夢を見ます。私は病院の屋上にいます。空は真っ暗で、星も月もありません。風が冷たくて強く吹いています。私は屋上の端に立っています。下には何も見えません。私は飛び降りようと思っています」

「それは怖い夢ですね。でも、それは夢だから大丈夫ですよ。現実ではそんなことしないでくださいね」

「大丈夫ですよ。私は死にたくないですから。でも、この夢はなんで見るんでしょうね？意味があるんでしょうか？」

「それはわかりませんね。でも、夢は心の反映だと言われていますから、何かストレスがあるのかもしれませんね」

「そうかもしれませんね。私は病気になってから、家族や友達と会えなくなりました。孤独で寂しいです」

「それは辛いですね。でも、あなたには看護師や医師や他の患者がいますよ。あなたは一人じゃありませんよ」

「そうですね。ありがとうございます。看護師さんは優しいですね」

「どういたしまして。では、おやすみなさい」

私は彼女に笑顔で手を振って、次の病室に向かいました。彼女の話を聞いて、私も少し寂しくなりました。私も家族や友達と会えていませんでした。夜勤は孤独な仕事です。

その後、私は何事もなく仕事を終えました。朝になって、交代の看護師が来ました。私は彼女に引き継ぎをしました。

「今日の患者さんはどうでしたか？」

「特に問題なかったですよ。ただ、一人だけ心配な患者さんがいます」

「誰ですか？」

「山田さんという白血病の女性です。彼女は毎晩飛び降りる夢を見るそうです」

「えっ？山田さんって…」

交代の看護師が驚いた顔をしました。

「どうしたんですか？」

「あなた、山田さんと話したって言ってるんですか？」

「はい、そうですよ。なんでですか？」

「それは不可能ですよ。山田さんは昨日の夜、屋上から飛び降りて死んだんですよ」